ヤベぇ。顔、赤いの治らねぇ。
な ま え
「おいトシはいるかぁ?」
「じゃあコレ、とりあえずトシに回しといてくれ」
「トシはなぁ、もうちっと笑顔があってもいいと思うぞっ」
トシトシトシトシトシトシトシトシトシトシトシトシトシ
トシトシトシトシトシトシトシトシトシトシトシトシトシ・・・・・・
ずっと前から近藤さんが土方さんのことを名前で呼んでたのは
知っていた。
だから今更考える事じゃないんだけどねィ。
「・・・・・。・・・・・・。・・・・・・十四郎」
庭の片隅で、初めて土方さんの名前を呼んでみた。
うわ。すげぇ恥かしいかもしれねェ。
バクバクいっている体で、きっと自分は赤くなっているのだろうと
思う。
手で口を押さえた。
一人でも言うべきじゃないなァ、コレは。
それでも。
「あ?総吾、お前こんなとこで何してやがんだ。仕事しろ、仕事」
「・・・・分かってまさァ」
なんだか名前で呼ぶことは『特別』だと思うから。
「総吾?」
土方さんが俺のこと名前で呼んでくれているのは『特別』なんで
すかねィ。
聞いてみたいけど怖くて聞けない。
とにかく今は、この顔を見られない事が先決だィ。
「っ!ちょ、総吾!どこ行くつもりだテメェェェ!!!!」
ちょっぴり近藤さんがズルイと思った事は忘れまさァ。
だからいつか、俺が土方さんのこと名前で呼ぶ事を許してくだせェ。
だって!!名前呼びって特別の証拠ですよね!?
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