ありゃりゃ・・・・雨だ。
さっさと行かなきゃ、濡れちまう。











































『今日は全国、綺麗な秋晴れで傘は必要ないでしょう』


お天気おねーさん、にこやか笑顔で言ったくせによぉー・・・
しっかり土砂降りじゃねーか。
しかもなんだ?
明け方は晴れてたよ、たしかに秋晴れだったさ。
だがね、俺ら軍人が通勤する時間に降り出しやがったよ。

傘持ってきてねーよー
ッんだよ、チクショー タバコが湿気ちまった!



ばしゃばしゃばしゃ



とりあえず上着で頭守って走っていると、店が目に入った。
しめた。
傘、売ってるぞ。もったいないけど、買っていくか。








「ありがとうございました。」


あークソッ
なんで雨の日の傘はこんなに高いんだろうな。
ま、でもとにかくコレで濡れなくてすむな。


と、鼻歌交じりで新しいタバコに火をつけた俺の目に婆さんが写る。
車道の端をえっちらおっちら歩いている。


おぃおぃおぃ。
ココは軍の車両も通る道だぜ。
仕方ねェなぁ・・・・・




「おい、婆さんもっと端っこ歩いてくれ。俺も隣歩きてぇから。」
「あらあら、すみませんねぇ。」


結局、俺が車道側を歩き、婆さんを安全に歩けるようにした。


「お兄さん、ありがとうねぇ。」
「いやいや、別に。」
そうそう、軍人として当たり前だよな。
あぁ、軍人ってツラッ


バシャァッ

ぽたぽたぽた・・・・・・



婆さんが去っていくと同時に、馬車が水溜りの水をはじく。
すぐそばだったから、モロかぶった。

くっそ〜
タイミング良すぎじゃねぇ?
ってあいつ等、傘持ってねぇな・・・


男の子と女の子が走っていく。
女の子泣いちまってるし。

まぁ、あのくらいの子なら仕方ないよな。
世の中の厳しさってもんを実感しとけ。
うん、そうだ。
ここは黙って見過ごそう。



・・・・・・・
あーあのガキの泣き声が耳からはなれねぇ。
仕方ねェな。
世の中の優しさを実感しやがれってんだ。くそっ




「ありがとー、金髪のお兄ちゃん。」
傘をやると、女の子のほうは、泣いてたのが嘘のように笑って言った。


「いや、軍人として、当たり前だから。きにすんなって。」
そういうと、

「はっ最近の軍人はタバコ吸って歩くわけか。ボケーッとした顔して?」
男のガキはこんな生意気言ったあと、女の子連れて走り去った。
しかも、速いし。
お礼ナシかよ。

あー、ココから傘なしで歩きかァ。


















「あれ?ハボックさん、すごい濡れてますね。どうしたんですか?」

執務室に行くと、フュリーが声をかけてきた。

「いや、みんな濡れてねぇの?雨降ってたじゃん。」

「ええ、降ってたけど、みんな傘を途中で買ったみたいですよ。」

「・・・そうか・・・。」



結局、苦労したの俺だけってわけね・・・











                     (FIN)








雨の日の通勤途中ですね。 私にとってハボックさんはこんなお人よしイメージです。 閉じる
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