「眠いな・・・」

















春眠暁を覚えず



























コンコン



「入りたまえ。・・・・ハボックか。」

「誰ならよかったんスかぁ〜?」


トレードマークのタバコを吸いながら
ボケーっと聞くハボック。


「休憩を知らせにきたのかと思ってな。」


それにしても、眠い。


「なんスか?寝てないんですか?」

「いや、寝てはいるのだが・・・。
 こう暖かいと眠くなるものだな。」

「そうっスねぇ〜。春だしなぁ。
  ああ、俺にも春がこないかなぁ〜〜〜・・・。
  そうそう、これ追加の書類っス。」


はぁ。
大きな溜息が漏れる。
一体自分はいつになったら休めるのだろう。
 ・・・・・・いや、休憩は人一倍とっているのだが。
そういえば、今日は中尉に休みを取らせた。




なんだ!私は自由ではないか!!
ザ・フリー!!!
いゃっほーーーーい★


「そうだ、大佐。
 この書類全て終わらせといたほうがイイですよ。」

「なぜだ!せっかく中尉が居ないのだぞ!」

「いや、それはともかく・・・・今日の夕方、
 中尉はブラハを引き取りに来るそうです。
  その時に終わってなかったら・・・」


サーーーー

血の引く音がする。
そうだった。今朝、中尉の犬をフュリーが抱きしめていた・・・・
くそっ


「・・・・・・・・・。
  知らせてくれた事に感謝する、ハボック。」

「そうっスね。今度夕飯おごってくださいね。」

「なにが楽しくて野郎と飯くわねばならんのだ!!」



手をひらひらと振りながら出ていったハボックに叫んだ。





あー。
眠いなァ。
ヤバイぞ。全然進んでない・・・・
くそっ 
さっきのヒューズの電話のせいで
やる気がなくなってしまった。
眠い・・・・
春は嫌だ。
そうだ、仕事・・・仕事に集中するのだ。
さもないと、中尉が・・・・中尉が・・・・
いや、やはりヒューズのせいだな・・・
あいつの家族自慢にはつきあえん。
娘の、頭を、いや髪を切った・・・
眠いな・・・
進まん・・・・
眠い・・・・
このまま寝てしまおうか・・・・
でも・・・中尉が・・・
前には銃をつきつけられたし・・・
眠たい・・・
ヒューズが・・・
今度は撃たれるな・・・・
中尉・・・
仕事・・・・
し・・・・ちゅ・・・・ひゅ・・・・
ねむ・・・い・・・














「・・・・・さ!大佐。」


ぅ・・・誰だ・・眠いのに起こすな・・・
私はまだ寝たい・・・



「いい加減にして下さい、大佐。」



カチリ。



ん?今のは安全装置が外れた音だな・・・


「警告します。三秒以内に起きないと発砲します。
  上司であろうと例外はなしです。 3・・・」


この声は、確か・・・


「2・・・・」



ガバッ



「おはようございます、大佐。
 ・・・・・仕事は進みましたでしょうか。」

「ちゅ・・・中尉・・・。」


あわてて手元を探る。全ては終わっていなくても、
半分はやってあるはずだ!
あんなにがんばったんだからな。


「・・・・・・・(汗」

「・・・・・・・?」


手もとの書類を見ながら、固まるロイ。
リザもいぶかしげに思い、その書類をうばう。

大きく赤で「重要書類」と書かれている。
そのずっと下のロイがサインをしなければならない場所。
黒いペンで、

『ヒューズが中尉で、撃たれる。中尉の、頭が春だ。  ロイ』



キィィーーーーーン・・


その場が、凍りついた。

前文はいい。まだ理解不能だ。
だが、問題は後の文だ。


「大佐・・・私はまだボケませんが?」

にっこり。
綺麗な、裏のある笑みで私に微笑む中尉。


「ご、誤解だ!!眠くて・・・その・・・」








その後、司令部には司令官の悲鳴が響いたと言う。


「あーあ。大佐、せっかく注意してあげたのに
  ・・・タバコ切れてるよ、おい。」







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